窯業系サイディング、金属サイディング、タイル張り、ALCなど建物の外壁には様々な種類がありますが、すべての外壁につなぎ目があります。
また外壁どうしだけでなく外壁とサッシやサッシとガラスなどにも接合部分に隙間ができてしまいます。
シーリング工事とはこの隙間を埋める工事の事をいいます。
「そんなつなぎ目の隙間なんで気にするほど大事なの?」と思われるかもしれませんが、実はこのつなぎ目の隙間は建物にとって必要不可欠な部分なのです。どのような材質で建てられた建物でも、気温や湿度によって膨張したり収縮したりします。また、台風や地震の振動によっても建物は揺れたり歪んだりします。これらの動きをうまく吸収できるあそびがないと外壁同士がぶつかり合い、外壁タイルが割れたり、ひびが入り破損してしまう原因となってしまいます。このような理由から外壁などにある目地(隙間)は構造上必要となるのです。
建物に必要な目地(隙間)ですが、困る弱点としては外部からの雨風が侵入してしまう点です。雨水の侵入は建物をいちじるしく劣化させるのでそれを防ぐ工事として、外壁に必要な目地の役割を確保しつつ防水性、気密性をもたせる為にシーリング工事は必要となるのです。
シーリングとコーキングの違いは?
工事会社によってシーリングとコーキング2種類の呼ばれ方がありますが、違いはあるのでしょうか?
シーリングとコーキングは英語からきているので日本語に翻訳してみると
シーリング(Sealing)= 密閉する、蓋をする
コーキング(Caulking)= 詰め物をする
といった意味になり基本的にはどちらも同じ工事だと考えても問題ありません。
シーリングの耐久年数は一般的には10年前後と言われています。実際は目地が露出している場合、目地が塗膜でおおわれている場合や紫外線の影響を受けやすい南側、受けにくい北側など現場の状況によって変わってきます。
なかでも一番耐久性に違いがでるのが、施工方法です。劣化した古いシーリング材を除去した後の下地処理を丁寧かつ適正に行う事が非常に大切になります。手抜き工事によるひどい施工不良の場合は2,3年でシーリング材がはがれたり切れたりすることもあります。
シーリングの耐久性が一般的に10年前後という事を踏まえたうえで定期的にチェックする必要があります。
シーリング材のひび割れ
シーリング材の剥がれ
シーリング材の切れ
年数がたつにつれての建物の劣化はさけられません。中でも大きく劣化を早めてしまう原因となるのが、建物内への水の侵入があげられます。
木造住宅では、屋根などからの侵入は「雨漏り」の原因となり、外壁やサッシのシーリング部分からの侵入はカビの発生や白アリの発生、しいては柱などを腐らしてしまう原因になります。
このように建物内部へ水が侵入する事であなたの家の資産価値を大きく下げることにつながります。
ビル・マンションなどの鉄筋・鉄骨コンクリートの建物には微小なクラック(ひび割れ)があります。それらのクラックが年月を重ねる中で気温の変化や建物の動きによって少しずつ大きなクラックに成長していきます。
その際に屋上や外壁の防水層が劣化していると雨漏りやコンクリート部分のさらなる劣化につながります。ビル・マンションにおいても定期的な防水工事のメンテナンスは必須となります。
シーリング材の打ち替え工事には、既設の古くなったシーリング材を取り除き、新たなシーリング材を充填する「既存シーリング撤去工法」と、既設のシーリング材の上から新たなシーリング材を打ち増す「打ち増し工法」の2種類の方法があります。
「打ち増し工法」は簡易的な施工になり安価には施工できますが、あくまで既設のシーリング材が硬化やひび割れを起こしてない場合に用いる工法となり、シーリング材が劣化している場合などは耐久性、性能面から見ても「既存シーリング撤去工法」を用いる事が望ましいです。
最近の一般的な住宅にもっとも利用されている窯業系サイディングなどの目地に用いられる施工方法は二面接着が主流になります。
外壁の目地(隙間)は温度による伸縮、風や地震などによる建物の揺れ、歪みが生じます。シーリング材はこの外壁の動きに追従しなければなりません。
このような理由からシーリング材を充填する前にハットジョイナー、ボンドブレーカー、バックアップ材などを利用した状態で左右の外壁材へ2面のみ接着し、シーリング材の追従性を確保しなければなりません。
三面接着はRC造のコンクリートなどの目地やサッシなど建具まわりのシーリング工事に用いられます。
理由としては、三面を接着する為、あまり動きのない部分に施工しなければなりません。追従性が低い反面、防水性が高く、水の浸入を防ぎます。
カッターナイフで既設の古いシーリング材に切り込みをいれ、サイディングから切り離します。
この時に外壁サイディング側にシーリング材が残らない様に丁寧に削り落とします。
この作業をしっかり行う事でのちに充填するシーリング材の接着力に大きく影響し、耐久年数に差が出るので正確な仕事が要求されます。
この後のシーリング充填工程やヘラでの押さえならす作業の際に、周辺へシーリング材が付着し汚れてしまう事を防ぐ為に、マスキングテープで養生を行います。しっかりと目地にそって貼る事で仕上がりがキレイになります。
シーリング材を目地底に接着させない為に、シーリング材充填前にバックアップ材の挿入もしくはボンドブレーカーの貼り付けをします。
この作業で三面接着を防ぎシーリング部分の追従性を確保します。
プライマーとは外壁材にシーリング材をしっかり接着させる為の接着塗料です。プライマーにもいろんな種類の物があり接着面の材料などによって最適な物を選択する必要があります。
コーキングガンにシーリング材をセットして目地に充填します。
その際、隙間ができない様に注意が必要です。
ヘラを使い余分なシーリング材を取り除くとともに両側の外壁材にしっかりと圧着するように抑えます。表面を平らに美観も整えます。
シーリング材が乾燥する前に養生したマスキングテープを剥がして工事完了となります。
最適な材料 |
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打ち増し工法:変成シリコン 既存シーリング除去工法:変成シリコン |
シーリング工事で防げる問題 |
雨漏り、建物美観 |
最適な材料 |
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打ち増し工法:ポリサルファイド 既存シーリング除去工法:変成シリコン |
シーリング工事で防げる問題 |
雨漏り、タイルの剥離 |
最適な材料 |
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打ち増し工法:ポリウレタン 既存シーリング除去工法:変成シリコン |
シーリング工事で防げる問題 |
雨漏り、ALC割れ、腐食、錆 |
最適な材料 |
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打ち増し工法:変成シリコン 既存シーリング除去工法:変成シリコン |
シーリング工事で防げる問題 |
雨漏り、金属パネル腐食、錆 |
最適な材料 |
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打ち増し工法:変成シリコン 既存シーリング除去工法:変成シリコン |
シーリング工事で防げる問題 |
雨漏り、コンクリート腐食、錆 |
最適な材料 |
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打ち増し工法:ポリウレタン 既存シーリング除去工法:変成シリコン |
シーリング工事で防げる問題 |
雨漏り、コンクリート腐食、錆 |
最適な材料 |
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打ち増し工法:1成形シリコン 既存シーリング除去工法:変成シリコン |
シーリング工事で防げる問題 |
雨漏り、美観、腐食 |
最適な材料 |
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打ち増し工法:1成形シリコン 既存シーリング除去工法:変成シリコン |
シーリング工事で防げる問題 |
雨漏り、美観、腐食 |
シーリング工事 打ち増し工法 | 使用材料:ポリウレタン 300円〜/m |
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使用材料:変成シリコン 400円〜/m | |
既存シーリング材撤去 | 250円〜/㎡ |
仮設足場 | 700円〜/㎡ |
料金は目安となります。別途消費税がかかります。現場の状況により必要な作業が異なりますので詳しくはお問い合わせください。